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横浜市、2027年1月19日から重点地区以外の道路なども禁煙に。テラス席の扱いはどうなる

執筆者の写真: NANGO
NANGO
10月20日
読了時間: 10分

更新日:3 日前

横浜市ではこれまで、横浜駅周辺や関内、みなとみらい21など、市内の一部地域を喫煙禁止地区に指定し、路上喫煙を規制してきました。

この規制が、2027年1月19日から大きく変わります。

今回の条例改正により、従来の喫煙禁止地区だけでなく、市内全域の道路や駅前広場、河川など、屋外の公共の場所にも喫煙禁止の範囲が広がります。

ただし、すべての場所で同じ規制が適用されるわけではありません。

違反した場合に2,000円の過料が科されるのは、従来から指定されている9地区に限られます。 それ以外の道路などは、喫煙禁止となるものの、過料はありません。

では、飲食店の屋外テラス席はどうなるのでしょうか。

道路に設けたテラス席と、店舗の私有地に設けたテラス席では、条例上の扱いが異なります。

また、民間の商業施設にある公開空地や、屋根付きのテラス席については、別の確認も必要になります。

今回は、横浜市の条例改正の内容を確認したうえで、飲食店のテラス席や店頭の灰皿について、どのような点に注意すべきかを整理します。


2027年1月19日から、何が変わるのか

今回の条例改正は、2026年6月に公布されました。

施行日は規則で定めることとされていましたが、その後、横浜市から2027年1月19日と案内されています。

今回の改正で重要なのは、喫煙が禁止される場所の範囲が広がることです。

ただし、禁止場所は大きく3つに分けて考える必要があります。


① 喫煙禁止重点地区(従来の9地区)

現在の「喫煙禁止地区」は、2027年1月19日から「喫煙禁止重点地区」に名称が変わります。

対象となるのは、次の9地区です。

  • 横浜駅周辺地区

  • みなとみらい21地区

  • 関内地区

  • 鶴見駅周辺地区

  • 東神奈川駅周辺地区

  • 新横浜駅周辺地区

  • 戸塚駅周辺地区

  • 二俣川駅周辺地区

  • 日吉駅周辺地区

日吉駅周辺は、2026年8月に追加された地区です。

これらの地区では、これまでどおり、指定区域内の屋外の公共の場所での喫煙が禁止され、違反した場合には2,000円の過料が科されます。

名称は変わりますが、従来の喫煙禁止地区は条例の経過措置によって、そのまま喫煙禁止重点地区に引き継がれます。

つまり、この9地区については、今回の改正によって規制が新たに始まるわけではありません。


② 重点地区以外の道路など(今回、新たに禁止)

今回の改正によって、新たに喫煙禁止の対象となるのが、重点地区以外の道路や河川、駅前広場などです。

喫煙は禁止されますが、違反しても2,000円の過料はありません。

これまで重点地区の外で喫煙していた場所でも、2027年1月19日からは、条例によって喫煙が禁止される場合があります。

今回、実際に規制が広がるのは、この部分です。


③ 私有地など

店舗の敷地や民間施設の私有地などは、今回の条例改正によって、一律に喫煙禁止になるわけではありません。

ただし、健康増進法第27条第1項に基づき、喫煙する際には、望まない受動喫煙を生じさせないよう周囲の状況に配慮する必要があります。

また、私有地であっても、不特定多数の人が通行する場所などは、市長によって喫煙禁止の対象に指定される可能性があります。

「横浜市内だから、屋外はすべて禁煙」というわけではありません。

今回の改正では、喫煙する場所がどのような土地で、誰が管理しているのかが重要になります。


横浜市の条例が「禁煙」としているところ

改正条例の第11条の4では、喫煙禁止重点地区以外で喫煙が禁止される屋外の公共の場所を、次のように定めています。


  • 国または地方公共団体が管理する、道路法上の道路

  • 横浜市が管理する交通広場

  • 国、神奈川県、横浜市が管理する河川

  • 横浜市が管理する道路、河川、水路、緑地などで、道路法などの適用を受けない場所

  • 不特定多数の人が通行する場所のうち、必要性に応じて市長が指定する場所


最後の「市長が指定する場所」については、管理権原を持つ者との合意に基づき、対象区域を告示する仕組みです。

また、条例には例外もあります。

公共の場所を管理する権原を持つ者が、喫煙のために設置した、または設置を許可した喫煙場所では、喫煙禁止の対象から除かれます。

通常の道路や広場で喫煙できるという意味ではなく、管理者が認めた喫煙場所に限られるということです。


飲食店のテラス席は、床面がどこにあるかで考える

飲食店にとって気になるのは、屋外のテラス席をどのように扱えばよいのかという点でしょう。

テラス席での喫煙は、「屋外だからよい」「テラスだから禁止」というだけでは判断できません。

まず確認したいのは、そのテラス席が道路の上にあるのか、店舗の私有地にあるのかということです。

さらに、私有地であっても、一般の人が通行する場所なのか、屋根や壁があるのかによって、確認すべき規制は変わります。

次の順番で考えると整理しやすくなります。


  1. 店舗は喫煙禁止重点地区の中か、外か

  2. テラス席は道路の上か、私有地か

  3. 私有地なら、店舗専用の場所か、一般の人も通行する場所か

  4. 市長が告示で指定した喫煙禁止場所に含まれていないか

  5. 屋根や壁の状態から、健康増進法上の「屋外」か「屋内」か

  6. 賃貸借契約、施設の管理規約、道路占用許可などに制限がないか


以下は、条例本文と横浜市の案内をもとにした当事務所の整理です。個別の店舗について判断したものではありません。


① 道路の上に設けたテラス席(道路占用許可あり)

飲食店では、道路占用許可を受けて、道路上にテラス席を設けている場合があります。

この場合、店舗が客席として利用していても、その場所が道路であることに変わりはありません。

喫煙禁止重点地区内であれば、規制対象となる屋外の公共の場所での喫煙は、これまでどおり禁止され、過料の対象となります。

重点地区の外であっても、国や地方公共団体が管理する道路法上の道路などであれば、2027年1月19日から喫煙禁止となります。

道路占用許可を受けてテラス席を設置していることと、そこで喫煙が認められることは別です。

条例では、道路などを管理する権原を持つ者が、喫煙のために設置した、または設置を許可した喫煙場所を例外としています。

したがって、客席の設置について道路占用許可を受けているだけでは、喫煙場所としての許可があることにはなりません。

道路上のテラス席で喫煙を認めている店舗では、特に確認しておきたい点です。


② 店舗専用の私有地に設けたテラス席

店舗の敷地内に設けた屋外テラス席は、原則として、今回の条例が一律に喫煙を禁止する場所ではありません。

例えば、道路に面した店舗でも、敷地の内側に設けた専用のテラス席であれば、道路上のテラス席とは扱いが異なります。

ただし、健康増進法に基づく受動喫煙への配慮は必要です。

また、店舗の敷地内で喫煙できる場合でも、お客様が敷地の外に出て歩道で喫煙すれば、条例違反となる可能性があります。

この違いは、店頭に灰皿を置いている店舗でも重要になります。

灰皿自体が店舗の敷地内にあっても、実際にお客様が立って喫煙する場所が歩道上であれば、道路での喫煙として扱われる可能性があるからです。

なお、店の前の道が私道である場合には、道路法上の道路とは扱いが異なります。

横浜市のQ&Aでも、私道を含む私有地については、所有者や管理者の管理権限があるため、市が直接指導できないと説明されています。

ただし、不特定多数の人が通行する私有地については、市長が指定する仕組みもあります。

そのため、まずは市道なのか私道なのか、どのような管理形態になっているのかを確認する必要があります。


③ 商業施設の公開空地にあるテラス席

商業施設やオフィスビルなどでは、民間の土地であっても、一般の人が自由に通行できる公開空地が設けられている場合があります。

こうした場所は、土地の所有者が民間事業者であっても、不特定多数の人が利用するという特徴があります。

今回の改正条例では、不特定多数の人が通行する場所について、管理権原を持つ者との合意に基づき、市長が喫煙禁止場所として指定できる仕組みが設けられました。

指定された場合には、私有地であっても喫煙禁止の対象になります。

一方、公開空地であるという理由だけで、自動的にすべての場所が今回の条例による喫煙禁止場所になるわけではありません。

「私有地だから対象外」とも、「公開空地だから当然に禁止」とも言い切れないところです。

公開空地に面した飲食店や、商業施設内のテラス席については、施設管理者のルールと、市長による指定の有無を確認する必要があります。


④ 屋根や壁のある半屋外のテラス席

テラス席には、屋根だけがあるもの、周囲をガラスやビニールカーテンで囲ったものなど、さまざまな形態があります。

こうした場所では、今回の横浜市条例だけでなく、健康増進法上の「屋内」に該当するかどうかも確認する必要があります。

屋外テラスとして営業していても、屋根や壁の構造によっては、健康増進法上の屋内として扱われる場合があります。

屋内に該当すれば、原則屋内禁煙など、健康増進法に基づく規制が問題になります。

店舗側が「テラス席」と呼んでいることと、法律上「屋外」に当たることは同じではありません。

判断の基準は、厚生労働省の「改正健康増進法の施行に関するQ&A」で確認できます。

特に、雨風への対策として後から囲いを設置した店舗などでは、現在の構造を確認しておきたいところです。


店頭の灰皿も、設置場所だけでは判断できない

飲食店では、店頭や入口付近に灰皿を設置している場合があります。

ここで確認したいのは、灰皿がどこに置かれているかだけではありません。

お客様が実際にどこに立って喫煙するのかという点です。

例えば、灰皿を店舗の敷地内に置いていても、そこを利用するお客様が歩道に立って喫煙していれば、道路での喫煙が問題になります。

逆に、敷地内に十分なスペースがあり、そこで喫煙する場合には、道路上での喫煙とは扱いが異なります。ただし、望まない受動喫煙を生じさせないための配慮は必要です。

また、条例では、土地を所有・占有・管理する人に対しても、吸い殻などが捨てられないための措置を取るよう努めることを求めています。

店頭の灰皿は、喫煙するお客様へのサービスとして設けている場合もあれば、吸い殻のポイ捨てを防ぐために設置している場合もあります。

しかし、今回の改正によって道路での喫煙が禁止されることを踏まえると、灰皿を設置している位置と、お客様が喫煙する場所を合わせて確認する必要があります。


まとめ|テラス席は「屋外かどうか」だけで判断しない

2027年1月19日から、横浜市では喫煙禁止重点地区以外の道路や駅前広場、河川なども、新たに喫煙禁止となります。

ただし、2,000円の過料が科されるのは、従来から指定されている9つの喫煙禁止重点地区に限られます。

また、屋外の場所すべてが一律に喫煙禁止となるわけではありません。

飲食店のテラス席については、道路上にあるのか、店舗専用の私有地にあるのか、商業施設の公開空地なのかによって、条例上の扱いが変わります。

さらに、屋根や壁のあるテラス席では、健康増進法上の屋内・屋外の区分も確認する必要があります。

店頭の灰皿についても、灰皿の設置場所だけでなく、お客様が実際に喫煙する場所が重要になります。

テラス席だから喫煙できる、屋外だからすべて禁止、という単純な話ではありません。

店舗がある地区と土地の管理形態、テラス席の構造、道路占用許可や施設の管理規約などを確認し、自店の営業形態に合った対応を考えることが必要です。


参考資料・関連リンク

横浜市公式資料

国の資料

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