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【2026年最新版】労働条件通知書の書き方・見直し方|ひな形で迷いやすい36項目を記載例つきで解説

執筆者の写真: NANGO
NANGO
1 日前
読了時間: 39分
【2026年最新版】労働条件通知書の書き方・見直し方

法改正をきっかけに、労働条件通知書を見直してみませんか?

従業員の採用時に交付する「労働条件通知書」。以前から使用しているひな形を、そのまま使い続けていませんか。

労働条件通知書は、給与や勤務時間、休日などを明確にするだけでなく、会社と従業員が労働条件について共通の認識を持つための重要な書類です。

近年は、従業員自身が労働条件や法律について調べ、通知書の内容を詳しく確認することも珍しくありません。記載が曖昧だったり、法令に対応していなかったりすると、採用後のトラブルだけでなく、会社の労務管理に対する不信感につながるおそれもあります。

実際、2024年4月には就業場所・業務の変更の範囲や有期契約の更新上限、無期転換に関する明示事項が追加されました。さらに2026年10月からは、パートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員との待遇差について説明を求めることができる旨の明示も義務付けられました。

法律に沿った正確な労働条件通知書を整備しておくことは、会社を守るだけでなく、従業員の安心感や信頼関係にもつながります。

この記事では、2026年11月現在の法令と厚生労働省のモデル様式を基に、正社員・パート・アルバイトの労働条件通知書について、全36項目の書き方と具体的な記載例を解説します。

最初から順番に読む必要はありません。自社で使用している労働条件通知書やひな形と照らし合わせながら、気になる項目、確認したい項目から読み進めていただけます。


労働条件通知書とは?基本的なルール

労働条件通知書とは、会社が労働者に対し、契約期間、勤務地、仕事内容、労働時間、賃金などの労働条件を明示する書類です。

正社員だけでなく、パート・アルバイトにも必要で、法律上、原則として書面等で明示しなければならない事項と、制度がある場合に明示する事項があります。

後者には口頭での明示が認められるものもありますが、トラブル防止のため、書面に残しておくと安心です。


労働条件通知書と雇用契約書の違い

労働条件通知書は会社が労働条件を通知する書類、雇用契約書は労使双方が契約内容を確認する書類です。

法律上、労働条件通知書への署名・押印は必須ではなく、必要な明示事項を満たせば、両方を兼ねた書類を使用することもできます。


正社員とパート・アルバイトの違い

基本的な明示事項は共通していますが、パート・アルバイトでは勤務日やシフトなど、働き方に応じた記載が重要になります。

また、パートタイム・有期雇用労働法の対象者には、昇給・賞与・退職手当の有無、相談窓口、待遇差について説明を求めることができる旨など、追加の書面等による明示義務があります。

なお、法律の適用は雇用形態の名称ではなく、実際の契約内容によって判断されます。

それでは、各項目の具体的な記載方法を確認していきましょう。



1.交付年月日・労働者氏名・事業場名称・所在地・使用者職氏名

労働条件通知書の冒頭には、通知書を交付する年月日、労働者の氏名、事業場の名称と所在地、使用者の役職と氏名を記載します。

記載例

  • 交付年月日:2026年11月1日

  • 労働者氏名:山田花子 殿

  • 事業場名称:株式会社〇〇 東京本社

  • 所在地:東京都千代田区〇〇1丁目2番3号

  • 使用者職氏名:代表取締役 田中一郎

正社員とパート・アルバイトで、基本的な書き方に違いはありません。

これらの情報は、誰に対して、いつ、どの会社・事業場から労働条件が通知されたのかを明確にするためのものです。


2.契約期間

契約期間には、労働契約に期間の定めがあるかどうかを記載します。

正社員の場合は、一般的に期間の定めのない契約が多く、「期間の定めなし」と記載します。一方、パート・アルバイトでは、3か月や6か月、1年などの契約期間を設ける場合があり、その際は契約の開始日と終了日を明記します。なお、パート・アルバイトでも期間の定めのない契約は可能です。

記載例

  • 正社員:期間の定めなし

  • パート・アルバイト:期間の定めあり(2026年12月1日~2027年11月30日)

契約期間を明示するのは、雇用がいつまで続く契約なのかを明確にし、契約終了や更新をめぐるトラブルを防ぐためです。

なお、有期労働契約の期間は原則として3年以内とされており、一定の例外では5年などの契約期間が認められています。


3.契約の更新の有無・更新判断基準・更新上限

契約期間に定めがある場合は、契約満了後に更新する可能性があるか、更新の判断基準、更新回数や通算契約期間の上限を記載します。

更新の有無は「自動的に更新する」「更新する場合がある」「更新しない」など、実際の契約内容に応じて明確にします。更新する可能性がある場合は、判断基準も示します。

記載例

  • 更新の有無:更新する場合がある

  • 更新判断基準:契約期間満了時の業務量、勤務成績・態度、能力、会社の経営状況等により判断する

  • 更新上限:あり(更新3回まで)

2024年4月からは、更新上限の有無とその内容の明示が義務付けられました。更新上限がない場合は「更新上限なし」、通算期間に上限がある場合は「更新上限あり(通算契約期間5年まで)」などと記載します。

これらは労働者が雇用継続の見通しを立て、更新をめぐる認識の違いを防ぐための事項です。更新上限を新たに設けたり、従来より短くしたりする場合は、あらかじめ理由を説明する必要があります。


4.無期転換申込機会と無期転換後の労働条件

この項目は、契約期間に定めのある有期労働契約で、無期転換申込権が発生する場合に記載します。期間の定めがない正社員には必要ありません。

同じ会社との有期労働契約が更新され、通算契約期間が5年を超えると、原則として労働者は期間の定めのない契約への転換を申し込むことができます。

2024年4月からは、無期転換申込権が発生する契約の締結・更新時に、申込みができることと、無期転換後の労働条件を明示することが義務付けられました。

記載例

  • 無期転換申込機会:本契約期間中に無期労働契約への転換を申し込むことができます。

  • 無期転換後の労働条件:契約期間を除き、本契約と同一とします。

転換後に賃金や勤務時間などが変わる場合は、その内容も具体的に記載します。

この制度は、有期契約を繰り返す労働者の雇用の安定を図るためのものです。なお、無期転換は正社員への登用を意味するものではなく、パート・アルバイトとしての労働条件が継続する場合もあります。

※一定の高度専門職や定年後に継続雇用される高齢者については、所定の認定を受けるなどの要件を満たした場合に、無期転換ルールの特例が適用されることがあります。一般的な採用では通常、特例に関する記載は必要ありません。


5.就業の場所

就業の場所には、実際に勤務する場所を記載します。2024年4月からは、採用時の勤務地である「雇入れ直後」と、将来勤務する可能性がある場所を示す「変更の範囲」の両方を明示することが義務付けられました。

記載例

【転勤・異動の可能性がある場合】

  • 雇入れ直後:東京本社

  • 変更の範囲:本社および会社の定める国内の事業所

【勤務地が変わらない場合】

  • 雇入れ直後:〇〇店(東京都〇〇区)

  • 変更の範囲:変更なし

このルールは、複数の事業所がある会社だけでなく、1店舗しかない会社や、転勤のないパート・アルバイトにも適用されます。 勤務地を変更する予定がなければ、「変更の範囲:変更なし」と記載します。

一方、現在は1店舗でも、将来新しい店舗への異動を予定している場合などは、その可能性を踏まえて変更の範囲を明示します。

この項目は、採用時に聞いていた勤務地と実際の勤務地が異なることによるトラブルを防ぐためのものです。会社の規模や雇用形態にかかわらず、実際の契約内容に合わせて記載する必要があります。


6.従事すべき業務の内容

従事すべき業務の内容には、採用後に担当する仕事内容を記載します。2024年4月からは、「雇入れ直後」の業務に加え、将来担当する可能性がある業務の「変更の範囲」も明示することが義務付けられました。

記載例

【正社員・業務変更の可能性がある場合】

  • 雇入れ直後:経理業務、給与計算および付随する事務業務

  • 変更の範囲:経理、人事、総務その他管理部門の業務

【パート・アルバイト・店舗業務の場合】

  • 雇入れ直後:レジ業務、商品陳列、店内清掃

  • 変更の範囲:店舗運営業務全般

【担当業務を変更する予定がない場合】

  • 雇入れ直後:一般事務および付随する業務

  • 変更の範囲:変更なし

仕事内容は、どこまで細かく書く必要があるのでしょうか。

作業を一つずつ列挙する必要はなく、通常担当する業務がわかる程度に具体的に記載します。例えば、レジ業務に伴う簡単な清掃や備品の補充などは、「付随する業務」としてまとめることもできます。

また、記載していない仕事は一切頼めないというわけではありません。 通常の業務に付随する作業や、一時的な他部門への応援などは、必ずしも個別に列挙する必要はありません。

ただし、労働契約で定めた業務の範囲を超える仕事を、会社が無制限に命じられるわけではありません。例えば、経理業務に限定して採用した従業員を、本人の同意なく恒常的に営業職へ変更できるとは限りません。

この項目は、採用時に想定した仕事内容と実際の業務との食い違いを防ぐためのものです。会社の規模や雇用形態にかかわらず、通常担当する業務と、将来変更する可能性がある業務の範囲を明確にしておきましょう。


7.始業・終業の時刻

始業・終業の時刻には、勤務開始時刻と終了時刻を記載します。正社員・パート・アルバイトを問わず、労働時間や賃金計算の基礎となるため、明確にしておく必要があります。

記載例

【勤務時間が固定されている場合】

  • 始業:9時00分

  • 終業:18時00分

【早番・遅番などが決まっている場合】

  • 早番:9時00分~15時00分

  • 遅番:15時00分~21時00分

  • 勤務時間帯は毎月のシフト表により決定する


勤務時間が日によって異なる場合は?

飲食店や小売店などでは、早番・遅番と明確に区分できず、日によって勤務時間が変わることもあります。

その場合は、勤務が想定される時間帯や1日の勤務時間、シフトの決定方法などを具体的に記載します。

記載例

  • 勤務時間:9時00分~21時00分の間で、1日4~8時間

  • 始業・終業時刻:毎月作成するシフト表により決定

  • シフトの通知:毎月20日までに翌月分を通知

ただし、「シフトによる」と書くだけでは不十分です。 契約締結時点ですでに勤務日時が確定している場合は、労働日ごとの始業・終業時刻を明示するか、基本となる勤務時刻を記載した上で、確定済みのシフト表を併せて交付する必要があります。

まだ勤務時間が確定していない場合も、基本的な勤務条件や決定方法を明確にし、確定後はシフト表で具体的な勤務時間を知らせることが大切です。


8.変形労働時間制・交替制・フレックスタイム制など

通常の固定勤務とは異なる労働時間制度を採用している場合は、適用する制度と勤務時間の決め方を明示します。制度によって労働時間の管理方法が異なるため、それぞれの特徴に応じた記載が必要です。


変形労働時間制

1か月や1年などの一定期間を平均し、原則として週40時間以内となるよう労働時間を設定する制度です。特定の日に8時間、週に40時間を超える勤務を予定することもできます。

記載例:1か月単位の変形労働時間制。勤務日および各日の始業・終業時刻は、事前に確定する勤務表による。

制度の種類と、勤務日・勤務時間の具体的な定め方を明示します。なお、対象期間の労働日や労働時間は、法令に従ってあらかじめ特定する必要があります。


交替制勤務

早番・遅番など、複数の勤務時間帯を交替で担当する働き方です。

記載例:早番8時00分~17時00分、遅番12時00分~21時00分。各勤務時間帯の適用日はシフト表により定める。

具体的な勤務時刻の記載方法は第7項のとおりです。交替制勤務だからといって、必ずしも変形労働時間制に該当するわけではありません。


フレックスタイム制

一定のルールの下で、労働者自身が始業・終業時刻を決定できる制度です。

記載例:フレックスタイム制。始業・終業時刻は本人の決定に委ねる。コアタイム10時00分~15時00分。

コアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合は、その時間帯も明示します。なお、コアタイムを設けない制度も可能です。


事業場外みなし労働時間制

外勤などで、事業場外の労働時間を算定することが難しい場合に、一定の時間働いたものとみなす制度です。

適用する場合は、所定の始業・終業時刻や、みなし労働時間について明確にします。


裁量労働制

法律で定められた対象業務について、一定の要件を満たす場合に適用できる制度です。

適用する制度の種類を明示し、始業・終業時刻を労働者の裁量に委ねる場合はその旨を記載します。基本となる勤務時刻がある場合は、併せて示します。

なお、これらの制度は通知書に記載するだけで導入できるものではありません。 制度によっては、就業規則の整備や労使協定、労使委員会の決議などが必要です。

通常の固定時間勤務であれば、該当しない制度について記載する必要はありません。


9.休憩時間

休憩時間には、1日の勤務中に与える休憩の長さを記載します。

労働基準法では、次の休憩が必要です。

労働時間

法律上必要な休憩

6時間以下

原則として不要

6時間を超え8時間以下

45分以上

8時間を超える

60分以上

パート・アルバイトも、勤務時間が法定基準に該当すれば休憩を与えなければなりません。なお、休憩は労働時間の途中に与える必要があり、勤務開始前や終了後の時間を休憩として扱うことはできません。


10.所定時間外労働の有無

所定時間外労働とは、会社が定めた勤務時間を超えて働くことです。正社員・パート・アルバイトを問わず、残業の有無を明示し、予定される時間がある場合は、その目安も記載します。

記載例

【正社員の場合】

  • 所定時間外労働:あり

【パート・アルバイトの場合】

  • 所定時間外労働:あり(1週5時間程度、1か月20時間程度、1年240時間程度)

残業を予定していない場合は「所定時間外労働なし」と記載します。


シフト制のアルバイトはどう記載する?

飲食店や小売店などのシフト制では、日によって勤務時間が異なります。この場合、確定したシフトで定めた勤務時間を超えて働くことも、所定時間外労働に該当します。

例えば、10時~14時のシフトが確定している日に、忙しいため16時まで勤務した場合、延長した2時間は所定時間外労働となります。

一方、シフトが確定する前に、労働契約で定めた範囲内で10時~16時の勤務を設定した場合は、その6時間が所定労働時間となり、直ちに残業扱いになるわけではありません。

シフト制の場合も、次のように残業の有無や目安を記載します。

記載例:所定時間外労働あり(業務の状況により、確定したシフトの勤務時間を延長する場合がある。1週5時間程度)

なお、一度確定したシフトの勤務日や勤務時間を変更する場合は、原則として労使双方の合意が必要です。会社が自由に延長・変更できるという意味ではありません。

所定時間外労働と、法律上の割増賃金が必要となる法定時間外労働は異なります。実際に働いた時間の賃金は必要ですが、割増賃金の要否や計算方法は第16項で説明します。


11.休日労働の有無

休日労働については、あらかじめ定めた休日に勤務してもらう可能性があるかどうかを記載します。休日出勤を予定している場合は、その頻度も明示します。

記載例

  • 休日労働:なし

  • 休日労働:あり(1か月1日、1年12日)


年中無休・シフト制のアルバイトはどう扱う?

飲食店や小売店など、年中無休の店舗でも、従業員には原則として毎週1日、または4週間を通じて4日以上の「法定休日」を与える必要があります。

ただし、法定休日の曜日を固定する必要はありません。大手チェーンのアルバイト募集でも見られるように、勤務日や休日を毎月のシフト表によって決定する運用も可能です。

例えば、週3日勤務・週4日休みのアルバイトの場合、休みの4日間すべてが法定休日になるわけではありません。

また、法定休日を毎週あらかじめ指定しなくても、法律違反にはなりません。 実際に必要な休日が確保されていれば問題ありませんが、休日労働の判断や賃金計算を明確にするため、シフト表などで法定休日を特定しておくことが望ましいでしょう。


休日に出勤してもらったら割増賃金が必要?

例えば、週3日勤務のアルバイトに、急な欠員で4日目の出勤をお願いした場合でも、その週にほかの休日が確保され、法定休日に勤務させたことにならなければ、原則として35%の休日割増賃金は必要ありません。

一方、法定休日に勤務させた場合には、35%以上の割増賃金が必要です。また、原則として36協定の締結・届出も必要になります。あらかじめ法定休日を指定している場合は、ほかの日に休みが確保されていても、その指定日に勤務させれば原則として法定休日労働となります。 適法な事前の休日振替を行った場合などは別の取扱いです。

法定休日を事前に特定していない場合は、実際の休日取得状況などから法定休日労働に該当するかを判断します。なお、法定休日以外の出勤でも、法定労働時間を超えた場合には時間外割増賃金が必要です。

この項目は、休日出勤の可能性をあらかじめ伝えるとともに、休日の取扱いや割増賃金をめぐるトラブルを防ぐためのものです。


12.休日および勤務日

休日および勤務日には、従業員がいつ働き、いつ休むのかを記載します。曜日が固定されている場合はその曜日を、シフト制の場合は勤務日数や休日の決定方法を明示します。

記載例

【正社員・曜日固定の場合】

  • 休日:毎週土曜日・日曜日、国民の祝日、年末年始(12月29日~1月3日)

【パート・アルバイト・曜日固定の場合】

  • 勤務日:毎週月曜日・水曜日・金曜日

  • 休日:火曜日・木曜日・土曜日・日曜日


年中無休・シフト制の店舗ではどう記載する?

飲食店や小売店など、勤務する曜日が毎週変わる場合は、休日を特定の曜日に固定する必要はありません。ただし、単に「シフトによる」と記載するだけでなく、勤務日数や休日の決定方法を具体的に示すことが重要です。

記載例

  • 勤務日:原則週3日とし、本人の希望を踏まえて毎月のシフト表で決定する

  • 休日:シフト表で定める勤務日以外の日

  • シフトの決定方法:毎月15日までに希望を確認し、20日までに翌月の勤務日・休日を通知する

法定休日の最低基準や休日勤務時の割増率は、前項「休日労働の有無」で説明したとおりです。

「原則週3日」が最低保障日数なのか、勤務の目安なのかは契約内容に合わせて明確にします。契約時点で確定している勤務日・休日は明示し、確定後のシフト変更は原則として労使で合意して行います。

休日・勤務日を明確にすることは、労働時間や賃金の管理だけでなく、パート・アルバイトの年次有給休暇の付与日数を判断する上でも重要です。

※1年単位の変形労働時間制を採用する場合は、年間休日数や勤務カレンダーなどについても、制度に応じた適切な明示が必要です。


13.年次有給休暇

年次有給休暇は、正社員だけでなく、パート・アルバイトにも適用されます。原則として、雇入れから6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に付与されます。

付与する時期や日数、時間単位年休などの制度の有無を明示します。

記載例

【正社員・週5日勤務の場合】

  • 年次有給休暇:6か月継続勤務した場合、10日付与

【パート・アルバイト・週3日勤務の場合】

  • 年次有給休暇:6か月継続勤務した場合、5日付与

パート・アルバイトでも、週5日勤務や週30時間以上勤務などの場合は通常の付与日数が適用されます。一方、週4日以下かつ週30時間未満の場合は、所定労働日数に応じた比例付与となります。

週の所定労働日数

6か月後の付与日数

4日

7日

3日

5日

2日

3日

1日

1日


シフト制のアルバイトはどう扱う?

勤務日が毎月変わるシフト制でも、条件を満たせば年次有給休暇が発生します。

飲食店や小売店などでは、毎月の希望シフトによって勤務日数が変わり、週の所定労働日数が決まっていないアルバイトもいます。

この場合も、勤務日数が不規則であることを理由に、有給休暇を付与しないことはできません。

原則として、有給休暇の付与日数は、付与する時点で予定されている所定労働日数や労働時間によって決まります。ただし、勤務日数が不規則で、1年間の所定労働日数を算出することが難しい場合は、過去の勤務実績を使って計算する方法が認められています。

具体的には、初回付与時に直近6か月間の実際の労働日数を2倍して、1年間の所定労働日数に換算する方法があります。例えば、6か月間に78日働いた場合、78日×2=156日です。 週30時間未満で比例付与の対象なら、年間121~168日の区分に該当するため、初回付与は5日となります。

また、シフト確定後でも、原則としてその勤務日に有給休暇を申請・取得できます。 会社はシフト確定後という理由だけで取得を認めないことはできません。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合には時季変更権が認められることがあります。


6か月以内の年次有給休暇

会社によっては、入社時や入社3か月後など、法定の6か月経過前から有給休暇を付与する制度があります。

記載例:入社3か月後に5日、入社6か月後に追加で5日付与

早期付与の制度がある場合は、付与時期と日数を具体的に記載します。なお、法定の付与日数や翌年度以降の付与時期についても、法律に従って設定する必要があります。


時間単位年休

時間単位年休は、1日単位ではなく時間単位で有給休暇を取得できる制度です。労使協定を締結することなどにより、年5日の範囲内で導入できます。

記載例:時間単位年休あり(年5日以内)


代替休暇

代替休暇は、1か月60時間を超える法定時間外労働について、割増賃金率の引上げ分に対応する有給休暇を与える制度です。導入には労使協定が必要です。

記載例:代替休暇なし


その他の休暇

慶弔休暇、夏季休暇、病気休暇など、会社独自の休暇制度がある場合は、その種類や日数、有給・無給の別を記載します。

記載例

  • 有給:慶弔休暇(結婚時5日)

  • 無給:私傷病休暇(就業規則による)

これらの項目は、労働者が取得できる休暇の内容を明確にするためのものです。制度がない場合は、その旨を記載し、実際の就業規則と内容が一致するようにしておきましょう。


14.基本賃金

基本賃金には、月給・日給・時間給などの給与形態と金額を記載します。通勤手当などの諸手当や残業代とは区別し、基本となる賃金を明確にします。

記載例

【正社員・月給制の場合】

  • 基本賃金:月給300,000円

【パート・アルバイト・時給制の場合】

  • 基本賃金:時間給1,500円

日給制の場合は「日給12,000円」などと記載します。出来高給の場合は、基本単価や保障給についても明示します。


シフト制のアルバイトはどう記載する?

シフトによって毎月の勤務日数や労働時間が変わる場合も、時給制であれば「時間給1,500円」などと記載します。月々の給与総額が変動するからといって、「給与はシフトによる」とするだけでは不十分です。

曜日や時間帯に応じた加算を設ける場合は、基本時給と加算の条件を区別して示します。具体例は次項「諸手当」で説明します。

なお、賃金表や就業規則の賃金等級から金額を確定できる場合は、その等級等を明示する方法も認められています。

基本賃金は労働契約の重要な条件であり、採用時に説明した給与との食い違いを防ぐため、具体的に記載する必要があります。

また、最低賃金は正社員だけでなく、パート・アルバイトにも適用されます。 月給制や日給制の場合も、最低賃金の対象となる賃金を時間額に換算し、適用される最低賃金を下回っていないか確認しましょう。


15.諸手当の額または計算方法

基本給とは別に支給する通勤手当、役職手当、資格手当などについて、手当の名称と支給額、または計算方法を記載します。

記載例

  • 通勤手当:合理的な通勤経路による実費を支給(月額上限20,000円)

  • 役職手当:店舗責任者に月額10,000円を支給

  • 資格手当:対象業務に使用する指定資格の保有者に月額5,000円を支給

  • 土日祝日勤務手当:土日祝日の勤務1時間につき100円を支給

※いずれも正社員・パート・アルバイトに共通する支給基準を設けた場合の例です。

「手当あり」とだけ記載するのではなく、支給対象や金額、計算方法を明確にします。


パート・アルバイトの手当はどう考える?

パート・アルバイトについても、同一労働同一賃金のルールに注意が必要です。

例えば、通勤手当は雇用形態を理由に不合理な差を設けることはできません。月額定期券代と出勤日数に応じた交通費など、実際の通勤状況に合わせて計算方法を変える場合も、支給目的に照らして合理的な取扱いとする必要があります。

また、同じ役職で同じ責任を負う場合の役職手当や、同じ条件で土日祝日に勤務した場合の手当についても、雇用形態だけを理由に支給額を変えることは適切ではありません。

手当の有無や金額に違いを設ける場合は、その手当の目的や職務内容、責任の違いなどから合理的に説明できることが重要です。

労働条件通知書を作成する際は、正社員とパート・アルバイトの支給基準に不合理な待遇差がないかも確認しましょう。


16.時間外・休日・深夜労働の割増賃金率

法定労働時間を超える残業や休日・深夜勤務について、適用する割増賃金率を記載します。正社員だけでなく、パート・アルバイトにも同じ法定割増率が適用されます。

記載例(法定の最低割増率)

区分

割増率

法定時間外労働(月60時間以内)

25%以上

法定時間外労働(月60時間超)

50%以上

法定休日労働

35%以上

深夜労働(22時~翌5時)

25%以上

割増賃金が重複する場合は、割増率を合算します。例えば、時間外労働と深夜労働が重なる場合は50%以上、月60時間を超える時間外労働と深夜労働が重なる場合は75%以上、法定休日労働と深夜労働が重なる場合は60%以上となります。

なお、法定休日労働と法定時間外労働の割増率は重複しません。


シフト制のアルバイトはどう扱う?

シフト制では、予定された勤務時間を超えた場合と、法律上の割増賃金が必要になる場合を区別することが重要です。

例えば、時給1,500円のアルバイトが、10時~15時の予定を16時まで延長し、実労働時間が6時間となった場合、追加の1時間は原則として通常の時給1,500円で計算できます。

一方、1日8時間を超えて働いた場合は、原則として超えた時間について25%以上の割増賃金が必要になります。

また、22時以降の勤務は、シフトどおりであっても深夜割増賃金が必要です。時給1,500円なら、深夜勤務の時給は少なくとも1,875円となります。

休日勤務についても、土日祝日だから一律に35%増しになるわけではなく、法定休日に該当するかどうかで判断します。


「所定超」と「法定超」の違い

所定超とは、会社が定めた勤務時間を超える労働、法定超とは、原則として1日8時間・週40時間の法定労働時間を超える労働です。

所定労働時間を超えても、法定労働時間内であれば、法律上の時間外割増賃金は原則として不要です。 ただし、働いた時間の賃金は必要で、就業規則等で割増率を定めている場合はその規定に従います。

労働条件通知書には、法定の最低割増率を踏まえ、実際に適用する割増率を記載しましょう。


17.賃金締切日

賃金締切日には、給与計算の対象期間を区切る日を記載します。

記載例:毎月末日

例えば、毎月末日締めの場合は、原則として毎月1日から末日までの勤務を対象に給与を計算します。

シフト制のパート・アルバイトでも同様に、締切日までの実際の労働時間を集計し、残業や深夜勤務なども含めて給与を計算します。

賃金締切日と支払日は別の項目です。ここでは給与計算の対象期間がわかるように記載します。


18.賃金支払日

賃金支払日には、給与をいつ支給するのかを記載します。

記載例:毎月25日(前月末日締め・当月25日払い)

労働基準法では、賃金は原則として毎月1回以上、一定の期日に支払うことが義務付けられています。そのため、「毎月25日」など、支払日を具体的に定める必要があります。

正社員・パート・アルバイトともに同じルールが適用され、シフト制で毎月の給与額が変わる場合も同様です。

なお、支払日が土日祝日や金融機関の休業日に当たる場合は、前営業日または翌営業日のどちらに支払うのかも、就業規則等で明確にしておきましょう。


19.賃金の支払方法

賃金の支払方法には、給与を現金で支払うのか、銀行振込などで支払うのかを記載します。正社員・パート・アルバイトともに共通する項目です。

記載例

  • 銀行振込の場合:労働者本人の同意を得て、本人が指定する本人名義の銀行口座に振り込む。

  • 現金払いの場合:毎月の賃金支払日に、労働者本人に現金で直接支払う。

労働基準法では、賃金は現金で本人に直接支払うことが原則ですが、労働者の同意があれば銀行振込も認められています。

ただし、会社が一方的に銀行振込を強制したり、特定の銀行口座を指定したりすることはできません。本人の同意を得て、本人が指定する口座に振り込む必要があります。

なお、一定の要件を満たせば、厚生労働大臣が指定した資金移動業者の口座を利用する「賃金のデジタル払い」も可能です。ただし、労使協定や本人の個別同意などが必要で、希望しない労働者に強制することはできません。


20.労使協定に基づく賃金支払時の控除

給与から所得税や住民税、社会保険料などの法定控除以外に差し引く費用がある場合は、その有無と内容を記載します。

記載例

  • 控除なし:無

  • 控除あり:有(社宅使用料:月額20,000円、従業員食事代:1食300円)

労働基準法では、賃金は全額支払うことが原則です。ただし、税金や社会保険料などの法定控除のほか、労使協定を締結した場合には、社宅費や食事代、親睦会費など、内容が明確な費用を給与から控除できます。


パート・アルバイトの場合は?

飲食店などで、アルバイトの食事代や制服代などを給与から天引きする場合も、原則として賃金控除に関する労使協定が必要です。

従業員本人が了承しているだけでは、労使協定に代えることはできません。 また、労使協定を結べば何でも控除できるわけではなく、費用を本人に負担させる根拠や、金額の妥当性も確認する必要があります。

なお、所得税や社会保険料など、法律に基づく控除しか行わない場合は、この項目を「無」と記載します。

この項目は、給与から何が差し引かれるのかを明確にし、不当な天引きや手取り額をめぐるトラブルを防ぐためのものです。


21.昇給

昇給とは、基本給や時給などの賃金が増額されることです。昇給制度の有無を明示し、制度がある場合は、実施時期や判断基準なども記載します。

記載例

【正社員の場合】

  • 昇給:あり(毎年4月、勤務成績・会社業績等により決定。ただし、昇給しない場合あり)

【パート・アルバイトの場合】

  • 昇給:あり(勤務成績・能力等により随時見直し。ただし、昇給しない場合あり)

昇給制度がない場合は「昇給なし」と記載します。制度があっても必ず賃金が上がるとは限らないため、判断基準や昇給しない場合があることも明確にしておきましょう。


契約更新時に時給を見直す場合は?

有期契約のパート・アルバイトでは、契約更新時に時給を見直すことがあります。

ただし、パートタイム・有期雇用労働法でいう「昇給」は、一つの契約期間中に賃金を増額することを指します。契約更新時にのみ時給を見直す場合は、法律上の「昇給」には該当しません。

記載例:昇給なし(ただし、契約更新時に勤務成績・能力等を考慮して時給を改定する場合あり)

パートタイム・有期雇用労働法の対象者には、昇給の有無を書面等で明示する義務があります。

この項目は、将来の賃金改定について労働者が見通しを立てられるようにし、昇給への期待と実際の取扱いとの食い違いを防ぐためのものです。


22.賞与

賞与については、支給制度の有無を明示し、制度がある場合は支給時期や支給条件、金額の決定方法などを記載します。

記載例

  • 賞与:あり(年2回、6月・12月。会社業績、勤務成績、職務内容、責任の程度、貢献度等を考慮して支給額を決定する。ただし、業績等により不支給の場合あり)

  • 賞与:なし(賞与制度を設けていない場合)

賞与制度を設けること自体は法律上の義務ではありません。ただし、制度があっても業績などによって支給しない場合があるときは、「賞与あり」とした上で、不支給となる可能性を明記します。


パート・アルバイトに賞与を支給しなくてもよい?

正社員には賞与を支給し、パート・アルバイトには支給しないという取扱いには注意が必要です。

2026年10月改正の同一労働同一賃金ガイドラインも踏まえ、賞与の支給目的や職務内容、責任、貢献度などに照らして待遇差を検討する必要があります。全員に同額を支給する義務があるという意味ではありませんが、雇用形態だけを理由に不合理な差を設けることはできません。

また、パートタイム・有期雇用労働法の対象者には、賞与の有無を書面等で明示する義務があります。労働条件通知書には実際の制度を記載するとともに、正社員との間に不合理な待遇差がないか確認しましょう。


23.退職金

退職金については、制度の有無を明示し、制度がある場合は支給対象者、支給条件、計算方法、支払時期などを記載します。

記載例

  • 退職金:あり(勤続3年以上の者を対象とし、支給額は退職金規程により算定。退職後1か月以内に支給)

  • 退職金:なし(退職金制度がない場合)

退職金制度を設けること自体は法律上の義務ではありません。ただし、制度がある場合には、その内容を明確にする必要があります。


パート・アルバイトに退職金を支給しなくてもよい?

正社員には退職金を支給し、パート・アルバイトには支給しないという取扱いには注意が必要です。

退職金についても、2026年10月改正の同一労働同一賃金ガイドラインを踏まえ、支給目的や職務内容、責任、配置転換の範囲、勤続状況などを考慮して待遇差を検討します。全員への同額支給が義務ではありませんが、不合理な待遇差は認められません。

また、パートタイム・有期雇用労働法の対象者には、退職手当の有無を書面等で明示する義務があります。

実際の支給条件を記載し、正社員との待遇差がある場合には合理的に説明できるようにしておきましょう。


24.定年制

定年制とは、従業員が一定の年齢に達したときに、労働契約を終了させる制度です。制度の有無を明示し、定年を設けている場合は、その年齢と退職日を記載します。

記載例

  • 定年制:あり(満65歳に達した日の属する月の末日をもって退職)

  • 定年制:なし

定年制を設けること自体は義務ではありませんが、定年年齢は原則として60歳以上とする必要があります。また、65歳未満の定年を設ける場合は、65歳までの継続雇用制度の導入など、雇用確保措置を講じなければなりません。

この項目は、雇用の終了時期を明確にし、退職時期をめぐるトラブルを防ぐためのものです。


25.継続雇用制度

継続雇用制度とは、定年に達した従業員を、再雇用や勤務延長などによって引き続き雇用する制度です。制度の有無と、何歳まで継続雇用するのかを記載します。

記載例

  • 継続雇用制度:あり(60歳定年後、希望者を65歳まで再雇用)

  • 継続雇用制度:あり(65歳定年後、70歳まで再雇用)

  • 継続雇用制度:なし(65歳定年で再雇用制度を設けていない場合)

高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保が義務付けられています。その方法には、定年を65歳以上にする、定年制を廃止する、65歳までの継続雇用制度を設けるという3つがあります。

したがって、定年が65歳以上の場合は、必ずしも継続雇用制度を設ける必要はありません。 一方、60歳定年などの場合に、継続雇用制度によって雇用を確保するのであれば、原則として希望者全員を65歳まで対象とする必要があります。

なお、70歳までの就業機会の確保は努力義務であり、70歳までの再雇用がすべての会社に義務付けられているわけではありません。

この項目は、定年後も働き続けられるのか、何歳まで雇用が継続されるのかを明確にするためのものです。


26.創業支援等措置

創業支援等措置とは、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、雇用契約によらず働く機会を提供する制度です。制度の有無と、実施する場合はその内容や対象年齢を記載します。

例えば、定年後の従業員と継続的に業務委託契約を結ぶ制度や、会社などが実施する社会貢献事業に従事できる制度が該当します。

記載例

  • 創業支援等措置:なし

  • 創業支援等措置:あり(65歳以降、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度)

70歳までの就業機会の確保は努力義務であり、すべての会社が創業支援等措置を導入する必要はありません。

なお、創業支援等措置を導入する場合は、実施計画を作成し、過半数労働組合または労働者の過半数代表者の同意を得るなどの手続が必要です。 単に労働条件通知書に記載するだけで導入できる制度ではありません。

この項目は、定年後に雇用契約以外の形で働く機会が用意されているかを明確にするためのものです。


27.自己都合退職の手続

自己都合退職については、従業員が自分の意思で退職する場合の申出期限や手続を記載します。

記載例:自己都合により退職する場合は、退職希望日の30日前までに会社へ申し出ること。

就業規則で退職の申出期限や方法を定めている場合は、その内容と一致させます。

期間の定めのない労働契約では、民法上、原則として退職の申出から2週間が経過すれば、会社の承諾がなくても退職できます。そのため、就業規則で30日前と定めていても、退職の自由を不当に制限することはできません。

この項目は、退職時の引継ぎや人員調整を円滑に進め、労使間のトラブルを防ぐためのものです。


28.解雇の事由および手続

会社が従業員を解雇する場合の理由や手続について記載します。

記載例

  • 解雇の事由:重大な服務規律違反など、就業規則第〇条に定める事由

  • 解雇の手続:原則として30日前に予告し、予告期間が不足する場合は、不足日数分の解雇予告手当を支払う

就業規則に解雇の事由や手続を定めている場合は、該当する条項を明示します。

ただし、就業規則に解雇事由が記載されていれば、自由に解雇できるわけではありません。 労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない解雇は無効とされています。

この項目は、解雇される可能性がある場合やその手続をあらかじめ明確にし、労使間のトラブルを防ぐためのものです。


29.社会保険の加入状況

社会保険については、健康保険・厚生年金保険への加入の有無を記載します。

記載例

  • 社会保険:健康保険・厚生年金保険に加入

  • 社会保険:加入なし(加入要件に該当しない場合)

正社員は一般的に加入対象です。パート・アルバイトでも、正社員の所定労働時間・日数の4分の3以上働く場合は原則として対象となります。また、2026年11月現在、従業員数51人以上の企業では、週の所定労働時間20時間以上、2か月を超える雇用見込み、学生でないことなどの要件を満たす短時間労働者も加入対象となります。

2026年10月から、短時間労働者の月額8.8万円以上という賃金要件は撤廃されました。 シフト制でも基本となる所定労働時間などで判断し、本人の希望だけで加入の有無を決めないようにしましょう。


30.雇用保険の適用

雇用保険について、適用の有無を記載します。

記載例:雇用保険の適用あり

2026年11月現在、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある労働者は加入対象です(昼間学生などの適用除外があります)。パート・アルバイトも雇用形態の名称ではなく、実際の契約条件で判断します。

雇用保険は失業等給付や育児休業給付などに関わるため、採用時に適用の有無を明確にしておきましょう。


31.中小企業退職金共済制度

中小企業退職金共済制度(中退共)は、中小企業が従業員の退職金を準備するための国の制度です。会社が掛金を負担し、退職時に共済制度から退職金が支払われます。

労働条件通知書には、従業員本人の加入状況を記載します。

記載例

  • 中小企業退職金共済制度:加入している

  • 中小企業退職金共済制度:加入していない

加入は任意ですが、会社が制度を導入する場合は、原則として従業員全員が対象となります。ただし、一定の条件に該当する従業員は対象から除外できる場合があります。

退職金制度の内容と記載が一致しているかも確認しましょう。


32.企業年金制度

企業年金制度とは、従業員の老後の生活を支えるため、会社が設ける年金制度です。制度の有無と、加入対象となる場合は制度名を記載します。

記載例

  • 企業年金制度:あり(企業型確定拠出年金)

  • 企業年金制度:なし

代表的な制度には、企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金(DB)があります。

企業年金制度の導入は任意ですが、会社が制度を設けている場合でも、従業員によって加入対象が異なることがあります。労働条件通知書には、本人に適用される内容を記載しましょう。


33.正社員との待遇の相違について説明を求めることができる旨

2026年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員との待遇の違いについて説明を求めることができる旨を書面等で明示することが義務付けられました。

労働条件通知書には、説明を求めることができる旨と、その申出先を記載します。

記載例

  • 正社員との待遇の相違の内容や理由等について、会社に説明を求めることができます。

  • 申出先:下記「雇用管理の改善等に関する相談窓口」

この改正は、同一労働同一賃金の考え方に基づき、パート・アルバイトが自分の待遇について疑問を持った際に、会社へ説明を求められるようにするためのものです。

会社は説明を求められた場合、待遇差の内容や理由などを適切に説明する必要があります。また、説明を求めたことを理由に、不利益な取扱いをすることは禁止されています。

この項目は、対象となるパート・アルバイトの採用時や有期契約の更新時に明示が必要です。 待遇差の具体的な説明内容まで、あらかじめ通知書に記載する必要はありません。


34.雇用管理の改善等に関する相談窓口

パートタイム・有期雇用労働者が、労働条件や待遇などについて相談できる窓口を記載します。

記載例

  • 相談窓口:人事総務部

  • 担当者:人事担当者

  • 連絡先:045-0000-0000

専用の相談部署を設ける必要はなく、小規模な店舗では店長や経営者を相談担当者とすることもできます。

この項目は、パート・アルバイトが勤務条件や待遇について疑問や不満を持った際に、相談先がわかるようにするためのものです。

相談窓口の明示は以前から義務付けられている事項です。2026年10月の改正で追加された「正社員との待遇差について説明を求める申出先」と同じ場合は、「同上」と記載することもできます。


35.その他の労働条件

これまで説明した項目以外にも、会社が制度として設けている労働条件がある場合は、その内容を明示します。

主な項目は次のとおりです。

  • 労働者が負担する費用:制服代、作業用品代、食費などの本人負担額や負担方法

  • 安全衛生:健康診断、安全衛生教育、保護具の取扱いなど

  • 職業訓練:研修や資格取得支援などの制度

  • 災害補償・傷病扶助:法定の労災補償に加えて設ける補償や、業務外の病気・けがに対する扶助制度

  • 表彰・制裁:表彰制度や懲戒処分の種類、適用事由

  • 休職:病気やけがなどによる休職の条件、期間、復職の取扱い

記載例

  • 作業用品:制服は会社貸与、指定作業靴は本人負担

  • 休職制度:あり(就業規則第〇条による)

  • 表彰・制裁:就業規則第〇条から第〇条による

これらのうち、労働者負担の費用、職業訓練、表彰・制裁、休職などは、会社に該当する定めがある場合に明示が必要です。安全衛生や災害補償には、会社独自の制度の有無とは別に法律上の義務もあります。書面等による明示が必須の事項と、口頭での明示も認められる事項は区別して確認しましょう。

内容が多い場合は、適用される就業規則の具体的な条項を示し、従業員が確認できるようにしておきましょう。


36.適用される就業規則と確認方法

就業規則とは、勤務時間や休日、賃金、退職など、会社で共通する労働条件や職場のルールを定めたものです。通知書で就業規則の内容を引用する場合は、適用される規則と関係条項、確認方法を明確にします。

記載例

  • 適用される就業規則:正社員就業規則

  • パート・アルバイトの場合:パートタイム従業員就業規則

  • 確認方法:事務所に備え付け、社内共有システムでも閲覧可能

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成・届出が義務付けられています。この人数にはパート・アルバイトも含まれます。

10人未満で就業規則の作成義務がない事業場でも、労働条件の明示は必要です。 就業規則がない場合は、労働条件通知書に必要な事項を具体的に記載します。

また、「詳細は就業規則による」と記載する場合は、適用される具体的な条項を示し、従業員がいつでも確認できるようにしておく必要があります。

具体的な就業規則名や閲覧場所を記載すること自体が、すべての事業場で一律に独立した法定明示義務となるわけではありません。ただし、就業規則を引用する場合は、従業員が内容を確認できることが重要です。


労働条件通知書はいつ交付する?電子交付でもよい?

労働条件通知書は、原則として労働契約を締結する際に交付します。採用時には、実際に働き始める前に労働条件を確認できるようにしておきましょう。有期労働契約を更新する場合も、必要な労働条件の明示が必要です。

交付方法は紙の書面が基本ですが、労働者本人が希望した場合は、電子メールなどによる電子交付も認められています。

ただし、電子交付では、労働者が内容を確認でき、印刷して書面にできることなどが条件です。会社の判断だけで電子交付を強制することはできません。

また、交付後のトラブルを防ぐため、会社側でも通知書の内容や交付履歴を保存しておくことが望ましいでしょう。


労働条件通知書を見直すときに確認したいこと

労働条件通知書には、法律上必ず明示しなければならない事項と、一定の条件に該当する場合に明示が必要となる事項があります。最後に、明示義務のある項目を確認しておきましょう。


すべての労働者に書面等で明示が必要な事項

正社員・パート・アルバイトを問わず、次の事項は原則として書面の交付等による明示が必要です。

  • 契約期間:期間の定めの有無

  • 就業場所・業務内容:雇入れ直後の内容と将来の変更の範囲

  • 労働時間:始業・終業時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務の場合の就業時転換

  • 賃金:基本給、各種手当、割増賃金率、計算方法、支払方法、締切日、支払日

  • 退職:自己都合退職の手続、解雇の事由など


有期労働契約の場合に追加で必要な事項

契約期間に定めがある場合は、次の事項も書面等で明示する必要があります。

  • 契約更新の有無と判断基準

  • 更新回数・通算契約期間の上限の有無と内容

  • 無期転換申込権が発生する場合の申込機会と無期転換後の労働条件


パート・アルバイトに追加で必要な事項

パートタイム・有期雇用労働法の対象者には、次の事項についても書面等による明示が義務付けられています。

  • 昇給の有無

  • 賞与の有無

  • 退職手当の有無

  • 雇用管理の改善等に関する相談窓口

  • 正社員との待遇の相違について説明を求めることができる旨(2026年10月追加)


制度がある場合に明示が必要な事項

退職金、賞与、安全衛生、職業訓練、休職、表彰・制裁、労働者が負担する費用などは、会社で該当する定めを設けている場合に明示が必要です。

これらには口頭での明示が認められる事項もありますが、トラブル防止のため書面に残しておくとよいでしょう。昇給に関する事項は、労働基準法上、書面等の交付が一律に必要な事項ではありませんが明示義務があります。パートタイム・有期雇用労働法の対象者には、昇給の有無を書面等で明示する必要があります。

古いひな形を使っている場合は、近年追加された明示事項に漏れがないか重点的に確認しましょう。

厚生労働省のモデル様式は参考様式であり、必ずしも同じ書式を使用する必要はありません。ただし、会社独自の書式を作成する場合も、法律で定められた明示事項を満たす必要があります。


まとめ|労働条件通知書は実際の働き方に合わせて整備しよう

労働条件通知書を作成・見直す際に大切なのは、法律で定められた明示事項を満たすことと、自社の実際の労働条件を正確に記載することです。

厚生労働省のひな形を使っていても、勤務時間や休日、契約更新の条件などが曖昧なままでは、十分な内容とはいえません。特にシフト制のパート・アルバイトでは、実際の勤務の決め方と通知書の記載が一致しているか確認する必要があります。

ひな形を埋めることを目的にせず、従業員が読んで自分の労働条件を理解できる内容になっているか。 その視点で一つひとつ確認することが、適切な労務管理につながります。

今回解説した記載例を参考に、自社の労働条件通知書を見直してみてください。



参考資料・モデル様式

この記事は、2026年11月1日時点の法令・厚生労働省公表資料を基に作成しています。

※本記事の記載例は説明用の例です。実際の労働条件通知書を作成する場合は、会社の就業規則、労働契約の内容、適用される法令等と照合してください。


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