top of page
検索

飲食店営業許可申請はいつから準備する?開業までの流れと物件契約前のチェックポイント

執筆者の写真: NANGO
NANGO
2 日前
読了時間: 21分
飲食店営業許可申請はいつから準備する?

飲食店の開業には、物件の契約や内装工事、厨房設備の設置、保健所への営業許可申請など、さまざまな準備が必要です。

特に重要なのは、「いつまでに何を準備するか」を早めに把握することです。確認が遅れると、追加工事や開業延期につながる可能性があります。

この記事では、飲食店開業までのスケジュール、行政書士への相談時期、物件契約前に確認すべきポイントを解説します。あわせて、自治体による手続きの違いについても、東京・横浜の事例を交えて紹介します。


1.飲食店営業許可申請までの流れと準備スケジュール

飲食店営業許可の準備は、開業予定日から逆算して進めることが大切です。

特に注意したいのが、物件の契約前、内装工事の着工前、営業許可申請前の3つのタイミングです。それぞれの段階で必要な確認をしておくことで、追加工事や手続きの遅れを防ぎやすくなります。

まずは、開業までの流れと、それぞれの段階で準備すべきことを確認しましょう。


開業準備の段階別早見表

現在の段階

いつまでに何をする?

準備しておくもの

行政書士への相談

① 開業構想・物件探し

営業内容・営業時間を整理する

メニュー案、開業希望日、希望エリア

必要な許可・届出を早めに確認できる

② 物件候補が決まった

契約前に営業条件・設備を確認する

物件資料、平面図、写真

物件契約前の相談が特におすすめ

③ 内装設計・工事準備

着工前に保健所へ事前相談する

設計図、厨房設備の配置案

設備基準の確認や申請準備を進められる

④ 内装工事中

工事の進捗と申請書類を確認する

工事工程表、申請者情報、資格証等

未相談の場合は早めに相談

⑤ 営業許可申請

管轄保健所が案内する時期までに申請する

申請書、設備図面、資格関係資料

申請代行を希望する場合は事前に依頼

⑥ 現地検査前

必要な設備を完成させ、動作確認する

厨房設備、給排水設備、衛生管理計画

検査準備や立会いの要否を確認

⑦ 許可取得・開業

許可日と関連手続きの完了を確認する

許可関係書類、衛生管理体制

必要に応じて変更・追加手続きを相談

※申請時期や必要書類は自治体によって異なります。また、内装工事の規模や追加の許認可の有無によっても、必要な準備期間は変わります。

特に重要なのは「物件契約前」と「内装工事の着工前」

開業準備の中でも、できるだけ早く確認しておきたいのが、物件の条件と厨房設備の設計です。

物件を契約した後に希望する営業ができないと分かったり、工事完成後に必要な設備が不足していると判明したりすると、追加費用や開業延期につながる可能性があります。

そのため、物件契約前には営業内容と物件の条件を確認し、内装工事の着工前には図面を用意して保健所へ相談しておくことをおすすめします。

行政書士への相談も、すべての書類がそろってからである必要はありません。物件候補が決まった段階で相談すれば、必要な許可・届出や申請までの準備を早めに整理できます。

なお、飲食店営業許可の申請時期は全国一律ではありません。例えば、東京都では施設工事完成予定日の約10日前、横浜市では営業開始予定日の15日前までを目安として案内しています。

実際の申請日程は管轄保健所に確認し、現地検査や不備があった場合の対応期間も見込んで、余裕のある開業スケジュールを立てましょう。


① 物件探しの段階|まず営業内容を整理する

物件を探し始める段階では、まず「どのようなお店を営業するのか」を整理しておきましょう。

同じ飲食店でも、提供するメニューや調理方法によって必要な厨房設備が異なります。また、営業時間やサービス内容によっては、飲食店営業許可以外の許可・届出が必要になる場合もあります。

この段階では、次の情報を整理しておくとスムーズです。


  • 提供予定の食品・飲料と主な調理方法

  • 店内飲食やテイクアウトなどの営業形態

  • 営業時間(深夜営業の有無)

  • 酒類の提供の有無

  • 接待、カラオケ、イベント等の実施予定

  • 開業希望日

  • 個人事業か法人か


メニューや営業時間などが完全に決まっている必要はありません。おおまかな営業内容が分かれば、必要な設備や許認可の検討を始められます。

特に、深夜営業や接待を伴う店舗では、物件の所在地によって営業が制限される場合があります。希望する営業ができる物件かどうか、契約前に確認することが重要です。

行政書士への相談も、この段階から可能です。


② 物件候補が決まった段階|契約前に営業条件と設備を確認する

物件候補が決まったら、契約前に予定している営業がその物件でできるかを確認しましょう。

物件情報に「飲食店可」と記載されていても、調理内容や営業時間、排気設備の設置などに制限がある場合があります。また、間取りや給排水設備によっては、必要な厨房設備を設置できないこともあります。

物件の図面や写真、予定メニューなどを用意し、貸主や管理会社への確認に加え、必要に応じて保健所や施工業者にも相談しておくことが大切です。

具体的な確認項目は、後述の「物件契約前チェックリスト」で詳しく解説します。


③ 内装設計の段階|着工前に保健所へ相談する

内装工事を始める前に、厨房設備の配置を示した図面を用意し、管轄の保健所へ事前相談しましょう。

シンクや手洗い器の位置、調理場の区画、給排水設備などが、施設基準に適合しているかを確認します。予定しているメニューや調理方法も伝えると、より具体的な相談ができます。

工事前であれば設計を見直せますが、完成後に設備の不備が判明すると、追加工事や開業延期につながる可能性があります。居抜き物件の場合も、既存設備をそのまま使用できるか確認しておくことが大切です。


④ 内装工事中|申請の準備も並行して進める

内装工事が始まったら、工事の進行と並行して営業許可申請に必要な書類を準備しましょう。

申請者の情報、食品衛生責任者の資格証明書、施設の図面などをそろえ、工事完成予定日を確認したうえで、保健所への申請や現地検査の日程を調整します。

また、現地検査までに必要な設備が完成し、使用できる状態になるよう、工事の進捗を確認しておくことも大切です。

工事完成後に慌てないよう、書類の準備と日程調整を早めに進めましょう。


⑤ 営業許可申請|申請時期は自治体によって異なる

飲食店営業許可の申請時期は全国一律ではなく、自治体によって案内が異なります。

例えば、東京都と横浜市では、次のような目安が示されています。


地域

申請時期の目安

東京都

施設工事完成予定日の約10日前

横浜市

営業開始予定日の15日前まで


このように、施設の完成予定日を基準とする場合と、営業開始予定日を基準とする場合があります。

申請時には現地検査の日程も調整するため、余裕を持った準備が必要です。また、設備に不備があれば改修や再検査が必要となり、開業が遅れる可能性もあります。

申請時期や必要書類、検査までの流れは、必ず店舗所在地を管轄する保健所の最新の案内を確認しましょう。


⑥ 現地検査|必要な設備を使用できる状態にする

現地検査では、保健所の担当者が施設の構造や設備が基準に適合しているかを確認します。

シンクや手洗い器、冷蔵設備などが設置されているだけでなく、給排水や給湯などが正常に機能することも重要です。

検査当日までに必要な設備を完成させ、水道・ガスの開栓や機器の動作確認を済ませておきましょう。

不備が見つかった場合は、改修や再検査が必要となり、開業が遅れる可能性があります。


⑦ 許可取得後|営業開始日と関連手続きを確認する

施設検査と審査を経て営業許可が下りれば、飲食店営業を開始できます。

ただし、許可日と営業許可証の交付日は異なる場合があるため、実際に営業を開始できる日を保健所に確認しましょう。

また、消防関係の届出や風営法に基づく許可・届出など、別途必要な手続きがある場合は、営業開始までに完了しているか確認することも重要です。


2.行政書士にはいつ相談するのがよい?

飲食店営業許可は自分で申請することもできますが、行政書士に書類作成や申請手続きの代理を依頼することもできます。

相談するタイミングは、物件候補が決まった段階から内装工事の着工前がおすすめです。営業内容や物件の図面が分かれば、必要な許認可や設備、申請までのスケジュールを具体的に確認できます。

特に、初めて飲食店を開業する場合や、居抜き物件を利用する場合、深夜営業や接待を伴う店舗では、物件契約前の確認が重要です。

初回相談では、次の情報があるとスムーズです。


  • 開業予定日

  • 店舗の所在地(候補物件でも可)

  • 物件の平面図や写真(あれば)

  • 営業形態、主なメニュー、営業時間

  • 物件の契約状況や内装工事の進捗


すべてが決まっている必要はありません。現時点で分かる情報を基に、何をいつまでに準備すべきか整理することが大切です。


3.物件契約前に確認したいチェックリスト

飲食店の開業準備では、物件選びが重要です。

契約後に希望する営業ができないと判明したり、想定外の設備工事が必要になったりすると、追加費用や開業延期につながる可能性があります。

飲食店営業許可の施設基準だけでなく、賃貸借契約の条件や建物の用途、消防関係の規制なども契約前に確認しておきましょう。


① 希望する飲食店を営業できる物件か

物件情報に「飲食店可」と記載されていても、希望する営業がすべて認められるとは限りません。調理内容や営業時間、音響設備の使用などに制限がある場合があります。

物件契約前に、次の項目と確認先を整理しておきましょう。


確認項目

主な確認内容

確認先

飲食店としての利用

希望する業態で営業できるか

不動産会社・貸主・管理会社

調理方法・提供メニュー

火気の使用や煙・臭いが出る調理に制限がないか

不動産会社・貸主・管理会社

酒類の提供・営業時間

酒類の提供や深夜営業に制限がないか

貸主・管理会社・必要に応じて警察署

カラオケ・音楽設備

音響設備の使用や営業時間に制限がないか

貸主・管理会社・自治体の環境担当部署

看板・屋外設備

看板や排気設備などを設置できるか

貸主・管理会社・必要に応じて自治体の担当部署


特に注意したいのが、物件情報に記載されている「軽飲食可」「重飲食可」という表現です。これらは法律上の統一された区分ではなく、貸主や管理会社によって認められる営業内容が異なる場合があります。

また、貸主が営業を認めていても、法令上の規制によって希望する営業ができない場合があります。深夜営業や接待を伴う店舗では、別途必要な許可・届出や地域の制限も確認が必要です。

希望する営業内容を不動産会社や貸主に具体的に伝え、契約上の重要な条件は書面で確認しておきましょう。


② 必要な厨房設備を配置できるか

飲食店営業許可では、営業内容に応じた設備を整える必要があります。十分な広さがあっても、間取りや設備の位置によっては施設基準を満たせない場合があります。

物件契約前に、主な設備と確認先を整理しておきましょう。


設備・確認項目

主な確認内容

確認先

調理場の区画

客席などと適切に区画できるか

保健所・内装業者

シンク

必要な数・大きさ・配置を確保できるか

保健所・設備業者

従業員用手洗い器

設置場所や水栓の構造が基準に適合するか

保健所・設備業者

冷蔵・冷凍設備

必要な容量と設置スペースがあるか

保健所・厨房設備業者

食品・食器の保管設備

衛生的な保管場所を確保できるか

保健所・内装業者

トイレ・更衣場所

設置場所や構造が適切か

保健所・内装業者

床・壁・天井

清掃しやすく衛生的な構造にできるか

保健所・内装業者

給排水・給湯設備

必要な設備を設置・使用できるか

設備業者・貸主・管理会社

換気・排気設備

必要な換気能力や排気経路を確保できるか

設備業者・貸主・管理会社・消防署


特に注意したいのが、シンクと手洗い器です。必要なシンクの数や大きさは調理内容によって異なり、従業員用手洗い器には手指の再汚染を防ぐ構造が求められます。

施設基準への適合は保健所、実際に設置・施工できるかは内装業者や設備業者、工事の可否は貸主や管理会社に確認するのが基本です。

居抜き物件でも、以前の店舗が営業許可を取得していたからといって、現在の施設基準に適合するとは限りません。契約前に図面や設備の状況を確認し、必要に応じて保健所へ事前相談しましょう。


③ 給排水・ガス・電気設備に問題がないか

給排水やガス・電気設備は、厨房機器の設置や内装工事の費用に大きく関わります。既存の設備では容量が不足したり、希望する位置に配管できなかったりする場合があるため、契約前の確認が重要です。

主な確認項目と確認先を整理しておきましょう。


確認項目

主な確認内容

確認先

給水設備

必要な水量・水圧を確保できるか

水道設備業者・管理会社

排水設備

シンクや手洗い器の排水経路を確保できるか

排水設備業者・管理会社

給湯設備

必要な給湯器を設置・使用できるか

設備業者・貸主・管理会社

ガス設備

調理機器に必要なガス容量を確保できるか

ガス会社・ガス設備業者

電気設備

厨房機器に必要な電気容量を確保できるか

電気工事業者・管理会社

排水処理設備

グリーストラップ等の設置が必要か、設置できるか

排水設備業者・自治体の下水道担当部署

設備工事の承諾

配管の変更や設備の増設が認められるか

貸主・管理会社


例えば、厨房機器の増設により電気・ガスの容量変更や給排水管の追加工事が必要になることがあります。また、グリーストラップなどの排水処理設備についても、営業内容や排水設備の条件に応じた確認が必要です。

設備が設置できるかは施工業者、建物側の工事制限や承諾については貸主・管理会社に確認するのが基本です。

追加工事が必要になる場合は、契約前に工事の可否と概算費用を確認しておきましょう。


④ 排気・換気設備を設置できるか

調理時に発生する煙や蒸気、臭いを適切に排出できるかも重要です。既存の換気設備があっても、予定する調理内容に対応できるとは限りません。

物件契約前に、主な確認項目と確認先を整理しておきましょう。


確認項目

主な確認内容

確認先

換気設備

調理内容に応じた換気能力を確保できるか

空調・換気設備業者

排気ダクト

必要なダクトの設置経路を確保できるか

設備業者・管理会社

排気口の位置

適切な場所に排気口を設置できるか

設備業者・貸主・管理会社

外壁・共用部分の工事

壁への穴あけやダクト設置が認められるか

貸主・管理会社・管理組合

煙・臭気対策

近隣への影響や臭気対策が必要か

設備業者・自治体の環境担当部署

防火・排気設備

ダクトや調理設備が消防・建築関係の基準に適合するか

消防署・建築士・設備業者


特に注意したいのが、排気ダクトの設置経路と排気口の位置です。厨房に十分なスペースがあっても、外壁や共用部分に工事ができず、必要な排気設備を設置できない場合があります。

また、焼肉店や中華料理店など、煙や臭いが多く発生する業態では、排気能力だけでなく近隣への影響にも注意が必要です。

設備の設置が可能かは専門業者、工事の承諾については貸主・管理会社に確認するのが基本です。必要に応じて消防署や自治体の担当部署にも相談し、契約前に工事の可否と概算費用を確認しておきましょう。


⑤ 建物の用途・用途地域に問題がないか

飲食店を開業する際は、保健所の施設基準だけでなく、建築基準法や都市計画上の制限も確認する必要があります。特に、住宅や事務所などを飲食店に転用する場合は注意が必要です。

物件契約前に、主な確認項目と確認先を整理しておきましょう。


確認項目

主な確認内容

確認先

用途地域

その地域で予定する飲食店を営業できるか

自治体の都市計画担当部署・建築指導担当部署

建物の用途

建物が飲食店として使用できる状態か

建築士・自治体の建築指導担当部署

用途変更

飲食店への用途変更に建築確認申請が必要か

建築士・自治体の建築指導担当部署

建物の改修

内装変更や設備工事に伴う法令上の制限がないか

建築士・施工業者・建築指導担当部署

避難経路・防火設備

避難経路や防火設備等が基準に適合するか

建築士・消防署

建物の既存資料

確認済証・検査済証などを確認できるか

貸主・管理会社・建築士


特に注意したいのが、建物の用途変更です。住宅や事務所を飲食店に変更する場合など、用途変更する部分の床面積が200㎡を超えると、原則として建築確認申請が必要になります(類似用途への変更などを除きます)。

また、200㎡以下で確認申請が不要な場合でも、建築基準法等への適合が免除されるわけではありません。

用途地域は自治体の都市計画情報サイトなどでも確認できますが、建物の用途や改修の可否については、建築士や自治体の建築指導担当部署に確認しましょう。

契約後に用途変更や追加工事が必要と判明することを防ぐためにも、物件の既存資料を確認し、必要な手続きや工事の見通しを契約前に把握しておくことが大切です。


⑥ 深夜営業や音響設備の地域制限を確認する

深夜営業やカラオケなどを予定している場合は、営業時間や騒音に関する地域の規制も確認する必要があります。飲食店営業許可を取得できても、希望する時間帯に営業できるとは限りません。

物件契約前に、主な確認項目と確認先を整理しておきましょう。


確認項目

主な確認内容

確認先

用途地域

深夜営業や音響機器の使用に地域制限がないか

自治体の都市計画担当部署・環境担当部署

深夜の営業時間

条例による営業時間の制限がないか

自治体の環境担当部署

カラオケ・音響設備

使用可能な時間帯や防音対策の条件

自治体の環境担当部署・防音設備業者

騒音・近隣への影響

店内の音や客の出入りによる騒音の規制

自治体の環境担当部署・管理会社

風営法上の手続き

深夜酒類提供飲食店営業などの届出・許可が必要か

所轄警察署・行政書士


例えば、横浜市では条例により、第一種・第二種低層住居専用地域および第一種・第二種中高層住居専用地域において、午前0時から午前6時までの飲食店営業が原則として制限されています。ただし、条例には騒音による公害が生ずるおそれがない場合などの例外があります。

東京都でも、午後11時から翌午前6時までのカラオケ等の使用について、一定の例外を除き制限が設けられています。

このように、営業時間や音響設備の規制は自治体によって異なります。なお、これらの条例上の制限と、風営法に基づく許可・届出は別に確認する必要があります。

用途地域は自治体の都市計画情報サイトなどで確認できます。例えば横浜市では「iマッピー」を利用できますが、具体的な営業制限や防音対策については自治体の環境担当部署に確認しましょう。

深夜営業を予定している場合は、物件契約前に希望する営業時間で営業できるか確認しておくことが大切です。


⑦ 消防設備や消防署への届出を確認する

飲食店の開業では、保健所への営業許可申請とは別に、消防署への届出や消防設備の確認が必要です。建物の規模や構造、使用する厨房機器によっては、設備の追加や改修が必要になる場合があります。

物件契約前に、主な確認項目と確認先を整理しておきましょう。


確認項目

主な確認内容

確認先

消防署への届出

工事開始前や店舗使用開始前に必要な届出はあるか

消防署

消火設備

消火器など必要な消防設備が設置されているか

消防署・消防設備業者

警報・避難設備

自動火災報知設備や誘導灯、避難経路に問題がないか

消防署・消防設備業者

厨房の火気設備

コンロや調理機器の設置位置・防火対策が適切か

消防署・設備業者

防火管理者

防火管理者の選任や消防計画の届出が必要か

消防署

消防設備の追加工事

既存設備で対応できるか、追加工事が必要か

消防署・消防設備業者・管理会社

工事の承諾

消防設備の変更や共用部分の工事が認められるか

貸主・管理会社


例えば、東京消防庁管内では、対象となる工事の開始7日前までに「防火対象物工事等計画届出書」、店舗の使用開始7日前までに「防火対象物使用開始届出書」の提出が必要です。

横浜市でも、店舗の使用開始7日前までに「防火対象物使用開始(変更)届出書」を提出する必要があります。

特に注意したいのは、既存の消防設備がそのまま使用できるとは限らない点です。建物の用途や店舗のレイアウト変更によって、消防設備の追加工事が必要になる場合があります。

必要な届出や設備基準は管轄消防署、設備工事の可否や費用は施工業者、工事の承諾については貸主・管理会社に確認するのが基本です。

開業直前に追加工事が必要と判明することを防ぐため、内装工事の着工前に消防署へ相談しておきましょう。


⑧ 居抜き物件は既存設備と営業許可の取扱いに注意する

居抜き物件では、以前の店舗の厨房設備などを利用できる場合がありますが、現在の施設基準に適合しているとは限りません。

また、以前の店舗が営業許可を取得していても、新たな営業者がそのまま許可を引き継げるわけではありません。一定の事業譲渡では許可の地位を承継できる場合がありますが、単なる居抜き物件の賃貸借とは異なります。

契約前に、既存設備の状態や所有権・修理負担を確認するとともに、営業許可の取扱いについて管轄保健所に相談しておきましょう。


⑨ 風俗営業などの追加許可・届出が必要ではないか

バーやスナック、コンセプトカフェなどでは、接待の有無や営業時間、営業内容によって、飲食店営業許可とは別に風営法に基づく許可・届出が必要になる場合があります。

これらの営業には地域や営業時間などの制限があり、飲食店営業許可を取得できても、希望する営業形態で開業できるとは限りません。

該当する可能性がある場合は、物件契約前に所轄警察署や行政書士へ確認しておきましょう。


4.物件契約前の相談で用意しておきたい資料

物件契約前に保健所や行政書士へ相談する際は、物件の情報と予定している営業内容が分かる資料を用意しておくとスムーズです。


資料

主な確認内容

物件の募集資料・平面図

所在地、契約条件、厨房設備の配置可能性

物件の写真・既存設備の情報

設備の状態や改修の必要性

予定メニュー・営業時間

必要な設備や許認可、営業時間の制限

内装工事の計画・図面(あれば)

設備の配置や工事内容

旧営業許可証(居抜きの場合)

以前の許可業種や営業者の情報

すべての資料をそろえる必要はありません。特に、物件の所在地・平面図・予定する営業内容が分かれば、具体的な確認を進めやすくなります。

資料が不足している場合も、まずは相談し、契約前に何を確認すべきか整理しておきましょう。


5.相談先を整理し、必要な確認を済ませる

ここまで見てきたように、飲食店の開業準備では、確認する内容によって相談先が異なります。

食品衛生上の施設基準は保健所、建物の用途や消防設備についてはそれぞれの担当機関、設備工事の可否は施工業者や貸主・管理会社などに確認する必要があります。

特に注意したいのは、保健所で飲食店営業許可の見込みが立っても、建築・消防・契約上の条件まで問題がないと判断されたわけではないことです。

行政書士に相談する場合は、予定する営業内容や物件の情報をもとに、必要な許認可や確認事項を整理できます。

物件契約後の手戻りを防ぐためにも、関係機関への確認を早めに進め、営業に必要な条件を把握しておきましょう。


6.申請までに準備する主な書類

物件や設備の確認が進んだら、保健所への営業許可申請に必要な書類を準備しましょう。

主な書類と確認事項は次のとおりです。


書類

主な確認事項

営業許可申請書

申請者情報、店舗所在地、営業内容など

施設の平面図

調理場やシンク、手洗い器などの設備配置

食品衛生責任者の資格証明書

資格の有無、未取得の場合の対応

水質検査成績書

井戸水など、使用水の種類に応じて必要

登記事項証明書等(法人の場合)

法人番号による確認や添付の要否

衛生管理計画

HACCPに沿った衛生管理の準備状況


必要書類や図面の部数、申請時期、提出方法は自治体によって異なります。例えば、東京都と横浜市でも取扱いに違いがあるため、管轄保健所の最新の案内を確認しましょう。

また、HACCPに沿った衛生管理は営業開始後も継続する必要があります。衛生管理計画や記録方法についても、開業前に準備しておくことが大切です。


7.行政書士への相談時に確認しておきたいこと

行政書士への相談は、物件や内装図面、申請書類がすべてそろっていなくても可能です。

相談時には、開業予定日や営業内容、物件の契約状況、工事の進捗などを分かる範囲で伝えましょう。未確定の事項も共有することで、今後必要な準備や確認事項を整理しやすくなります。

また、正式に依頼する際は、書類作成や保健所への申請、現地検査への立会いなど、どこまで対応してもらえるのかを確認しておくことが大切です。


8.まとめ|開業準備は物件契約前から

飲食店営業許可の準備は、保健所への申請書類を作成する前から始まっています。

スムーズに開業するために、特に押さえておきたいのは次の3点です。

  1. 開業予定日から逆算し、各段階で必要な準備を把握する

  2. 物件契約前に、設備や建物の条件、希望する営業内容に制限がないか確認する

  3. 物件候補が見つかった段階から、行政書士への相談を検討する

契約後や内装工事の完成後に問題が判明すると、追加工事や開業延期につながる可能性があります。

「いつまでに、何を確認し、誰に相談するか」を早めに整理しておくことが、無理のない開業準備につながります。

物件や営業計画がまだ確定していなくても、行政書士への相談は可能です。開業までの手続きや準備に不安がある場合は、物件の契約前から相談することをおすすめします。



参考資料・関連リンク

飲食店営業許可に関する手続きや施設基準は、店舗の所在地や営業内容によって異なります。最新の情報は、管轄の保健所や関係機関の公式案内をご確認ください。

営業許可申請・食品衛生

建築・用途地域

消防・深夜営業・騒音規制

風俗営業・深夜酒類提供飲食店営業

※上記は制度の確認に役立つ公的機関の資料です。実際の申請にあたっては、店舗所在地を管轄する保健所・消防署・警察署等に最新の取扱いをご確認ください。


コメント


bottom of page