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飲食店営業許可とは?風俗営業許可・深夜酒類提供の届出との違いをわかりやすく解説

執筆者の写真: NANGO
NANGO
5 日前
読了時間: 12分
飲食店営業許可とは?風俗営業許可・深夜酒類提供の届出との違いをわかりやすく解説

カフェやレストラン、バー、スナックなどの飲食店を開業するには、原則として食品衛生法に基づく「飲食店営業許可」が必要です。

ただし、お客様への接待や深夜の酒類提供など、営業内容によっては風俗営業の許可や届出が別途必要になる場合があります。同じ「バー」や「スナック」という名称でも、実際の営業方法によって必要な手続きは異なります。

この記事では、飲食店の開業に必要となる主な許可・届出の種類と、それぞれの対象や基本的な要件をわかりやすく解説します。


1. 飲食店営業許可とは?

飲食店営業許可は、飲食に伴う衛生上の危害を防ぐため、食品衛生法に基づいて設けられた許可制度です。カフェ、レストラン、居酒屋、バー、スナックなどで飲食物を調理・提供する場合、原則として取得が必要です。

許可を受けるには、店舗の構造・設備が条例で定められた施設基準に適合している必要があります。また、食品衛生責任者の選任や、食品衛生法に基づく衛生管理も求められます。なお、横浜市では、食品衛生責任者の有資格者がいない場合、営業許可後3か月以内に選任し、届け出る取扱いが認められています。申請先は店舗所在地を管轄する保健所です。

ただし、飲食店営業許可は食品衛生に関する許可であり、接待や深夜の酒類提供などを行う場合は、風営法に基づく許可・届出が別途必要になることがあります。


2. 風俗営業許可とは?

風俗営業許可は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下「風営法」)に基づく許可です。風営法第2条第1項では、風俗営業を1号から5号の5種類に区分しています。

対象となるのは、接待を伴う飲食店のほか、照明の明るさや客席の構造が一定の条件に該当する飲食店、マージャン店、ゲームセンターなどです。

以下、それぞれの区分を解説します。


① 1号営業|接待を伴う飲食店

1号営業は、お客様を接待して遊興や飲食をさせる営業で、キャバクラ、ホストクラブ、接待を行うスナックなどが該当します。

風営法第2条第3項では、接待を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義しています。通常の接客がすべて接待になるわけではなく、店の名称や接客場所にかかわらず、実際のサービス内容によって判断されます。


② 2号営業|低照度飲食店

2号営業は、法令に定められた方法で測定した営業所内の照度を10ルクス以下として営む飲食店です(1号営業に該当するものを除きます)。

接待を行わなくても、照明の明るさによって風俗営業に該当する場合があります。ただし、2号営業の許可を取得しても、照度を5ルクス以下にして営業することは認められません。


③ 3号営業|区画席飲食店

3号営業は、他から見通すことが困難で、広さが5平方メートル以下の客席を設けて営む飲食店です。

個室があるだけで直ちに該当するわけではなく、客席の広さや見通しなどの構造によって判断されます。


④ 4号営業|マージャン店・パチンコ店など

4号営業は、設備を設けてお客様に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業で、マージャン店やパチンコ店などが該当します。


⑤ 5号営業|ゲームセンターなど

5号営業は、射幸心をそそるおそれのある遊技に利用できる、国家公安委員会規則で定められた設備を設け、お客様に遊技をさせる営業です。ゲームセンターなどが該当します。

ただし、ゲーム機を設置しているだけで必ず該当するわけではなく、設備の種類や営業形態によって判断されます。


風俗営業許可を取得するための基本要件

1号から5号の風俗営業を営むには、営業所ごとに都道府県公安委員会の許可が必要です。

許可を受けるには、主に次の3つの要件を満たす必要があります。


  • 人的要件: 申請者等が法律上の欠格事由に該当しないこと

  • 場所的要件: 営業所が条例で定める営業制限地域にないこと

  • 構造・設備要件: 営業所の構造・設備が所定の基準に適合していること


3. 特定遊興飲食店営業許可とは?

特定遊興飲食店営業は、風営法第2条第11項に定められた営業で、深夜に酒類を提供し、お客様を遊興させるナイトクラブなどが代表例です。

主な判断要件は次のとおりです。


  • 店舗に遊興や飲食のための設備を設けていること

  • 深夜(午前0時から午前6時)に、お客様を遊興させ、酒類を提供すること

  • 風俗営業に該当しないこと


「遊興させる」とは、店舗側が積極的にショーやダンスなどを楽しませる行為を指します。単に音楽を流したり、娯楽設備を設置したりするだけで直ちに該当するわけではありません。

営業には都道府県公安委員会の許可が必要で、営業できる地域や店舗の構造・設備、申請者の欠格事由などについて要件が定められています。


4. 深夜酒類提供飲食店営業開始届とは?

深夜酒類提供飲食店営業開始届は、風営法第33条に基づく届出で、深夜営業のバーなどが代表例です。

届出の対象となる営業は、次の条件で判断されます。


  • 深夜(午前0時から午前6時)に酒類を提供すること

  • 営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供する営業ではないこと


そのため、深夜に酒類を提供していても、主食の提供を営業の常態としているレストランなどは届出の対象外となります。ただし、メニューに主食があるだけでは該当せず、営業時間中の提供実態によって判断されます。また、午前0時までに営業を終了する場合も届出は不要です。

届出は営業開始の10日前までに行う必要があり、営業地域や店舗の構造・設備についても規制があります。


5. 「許可」と「届出」は何が違う?

許可申請は、行政機関の審査を受け、営業を認めてもらうための手続きです。一方、届出は、法令に基づいて必要な事項を行政機関に通知する手続きで、許可・不許可の判断を求めるものではありません(行政手続法第2条)。

ただし、届出であっても自由に営業できるわけではなく、法令で定められた営業条件や提出期限を守る必要があります。


6. 営業許可・届出の種類を一覧で比較

ここまで紹介した許可・届出の違いを一覧にまとめました。

営業区分

主な対象・判断基準

手続き

飲食店営業

飲食物の調理・提供

許可

風俗営業1号

接待を伴う遊興・飲食

許可

風俗営業2号

照度10ルクス以下の飲食店

許可

風俗営業3号

見通しが困難な5㎡以下の客席

許可

風俗営業4号

マージャン・パチンコなど

許可

風俗営業5号

一定の遊技設備を備えたゲームセンターなど

許可

特定遊興飲食店営業

深夜の遊興と酒類提供

許可

深夜酒類提供飲食店営業

深夜の酒類提供(通常主食を提供する営業を除く)

届出

※実際に必要な許可・届出は、営業内容や設備、営業時間などによって判断されます。

なお、飲食店営業許可と風営法上の許可・届出は、営業内容によって両方必要になる場合があります。一方、風俗営業4号・5号では、飲食物の提供形態によって飲食店営業許可の要否が異なります。


7. 自分のお店に必要な許可を判断するには?

開業に必要な許可・届出は、お店の名称ではなく、実際の営業内容によって決まります。

例えば、同じ「スナック」でも、接待の有無や営業時間によって必要な手続きは異なります。

自分のお店にどの許可・届出が必要なのか、次の順番で確認してみましょう。


① 飲食物を調理・提供するお店ですか?

カフェ、レストラン、バーなど、飲食物を調理・提供するお店では、原則として飲食店営業許可が必要です。

まずはこれを基本に、以下の営業内容に該当するか確認します。


② お客様への「接待」を行いますか?

営業者や従業員などがお客様を接待して、遊興や飲食をさせる場合は、風俗営業1号許可が必要です。

ここでいう接待は、通常の注文対応や接客とは異なる法律上の概念です。お店の名称やカウンターの有無だけで判断することはできません。

接待を予定している場合は、風俗営業1号に該当するか確認しましょう。


③ 店舗の照明や客席の構造はどうなっていますか?

接待を行わない場合でも、店舗の設備によって風俗営業に該当することがあります。


  • 照度が10ルクス以下: 風俗営業2号に該当する可能性があります。

  • 他から見通しが困難な5㎡以下の客席がある: 風俗営業3号に該当する可能性があります。


実際の照度や客席構造が法令上の基準に該当するか確認する必要があります。


④ マージャンやゲームなどの遊技を提供しますか?

お客様に遊技をさせる営業では、次の許可が関係する場合があります。

  • マージャン店・パチンコ店など: 風俗営業4号

  • 一定の遊技設備を備えたゲームセンターなど: 風俗営業5号

ただし、ゲーム機などを設置するだけで必ず風俗営業に該当するわけではありません。設備の種類や営業方法によって判断されます。


⑤ 深夜0時以降も営業しますか?

深夜営業を予定している場合は、酒類の提供と遊興の有無を確認します。

深夜に酒類を提供し、お客様を遊興させる場合

風俗営業に該当しない営業であれば、特定遊興飲食店営業許可が必要になる可能性があります。

深夜に酒類を提供するものの、遊興させない場合

営業の常態として通常主食と認められる食事を提供するお店を除き、深夜酒類提供飲食店営業開始届が必要になります。

例えば、深夜まで営業する酒類提供中心のバーは届出の対象となる一方、通常主食を提供するレストランなどでは、届出が不要となる場合があります。

なお、接待を行う風俗営業については別途営業時間の規制があるため、深夜酒類提供の届出によって深夜の接待営業が認められるわけではありません。

なお、深夜に飲食店営業を行う場合は、酒類提供の届出の要否にかかわらず、照度を20ルクス以下にしないことなど、風営法上の規制を守る必要があります。


⑥ その場所で予定している営業ができますか?

必要な許可・届出の種類がわかっても、店舗の所在地によっては営業できない場合があります。

神奈川県では、風俗営業や深夜酒類提供飲食店営業について、用途地域などによる営業場所の制限が定められています。また、風俗営業では学校や病院などの周辺にも制限があります。

横浜市内の用途地域は、横浜市の行政地図情報提供システム「i-マッピー」で確認できます。ただし、用途地域だけで許可の可否が決まるわけではありません。

物件を契約する前に、予定している営業内容と所在地を管轄の警察署に伝え、営業できる場所か確認しておくことが大切です。


最後に、必要な手続きを確認しましょう

以上の項目から、自分のお店に関係する許可・届出をある程度絞り込むことができます。

飲食店営業許可と風営法上の許可・届出が両方必要になる場合もあるため、一つの区分だけで判断しないことが重要です。

また、接待・遊興の具体的な内容や設備によっては判断が分かれることもあります。ここでの確認はあくまで目安とし、開業前に管轄の保健所や警察署で必要な手続きを確認しましょう。


横浜市・神奈川県でお店を開業するときの注意点

営業許可・届出の基本的な仕組みは全国共通ですが、営業できる地域や営業時間などは都道府県の条例によって異なります。神奈川県・横浜市では、次の点に注意が必要です。


営業できる地域の制限

神奈川県では、風俗営業や深夜酒類提供飲食店営業について、住居地域等での営業が原則として制限されています。風俗営業では、学校や病院などの周辺にも距離制限があります。

横浜市内の用途地域は、行政地図情報提供システム「i-マッピー」で確認できます。ただし、用途地域だけで許可の可否を判断することはできません。


風俗営業の営業時間の特例

風俗営業は原則として午前0時までですが、神奈川県では12月15日から翌年1月10日まで、午前1時まで営業できる特例があります。また、横浜市中区・川崎市川崎区の一部指定地域では、年間を通じて午前1時まで営業できます。

なお、パチンコ店などには別の営業時間規制が適用されます。


特定遊興飲食店営業の営業地域

神奈川県では、特定遊興飲食店営業ができる地域は、原則として横浜市中区と川崎市川崎区の一部指定地域に限られています。指定地域内であっても、病院などの保全対象施設の周辺では営業所の設置が制限されます。ただし、一定の基準を満たすホテル・旅館内の営業所には、地域制限の例外があります。


許可・届出の申請窓口

横浜市の飲食店営業許可は、店舗所在地を管轄する区の福祉保健センター生活衛生課で申請できます。風俗営業許可や深夜酒類提供飲食店営業の届出は、管轄警察署の生活安全(第一)課が窓口です。

物件契約や内装工事の前に、予定する営業がその場所で認められるか確認しておきましょう。


8. 飲食店営業許可だけで、どこまでできる?

飲食店営業許可だけでお店を開業する場合、接客や設備、営業時間について、どこまで認められるのか気になる方も多いでしょう。

例えば、次のような疑問があります。

  • お客様との会話は、どこから「接待」に当たるのか

  • カラオケやダーツなどを設置してもよいのか

  • 照明や客席の仕切りには、どのような制限があるのか

  • 深夜にお酒を提供する場合、どのような届出が必要なのか

これらは具体的な営業方法によって判断が異なります。次回以降は、飲食店営業許可だけでできることと、風俗営業許可などが必要になる境界線について、具体例を交えて解説します。


まとめ

飲食店の開業には、原則として飲食店営業許可が必要ですが、営業内容によっては風営法に基づく許可・届出も必要になります。

風俗営業は1号から5号に区分され、接待の有無、照度、客席の構造、遊技設備などが判断基準となります。また、深夜の遊興や酒類提供についても、別の制度が設けられています。

大切なのは、お店の名称ではなく、実際の営業内容に応じて必要な手続きを判断することです。 開業前に営業方法や営業時間、設備、立地条件を整理し、必要な許可・届出を確認しましょう。


参考資料・関連法令

本記事は、以下の公的機関が公表する法令・資料を参考に作成しています。

【法令・全国共通の資料】

【神奈川県・横浜市の資料】

※本記事は2026年10月時点の法令・公表資料に基づく一般的な解説です。実際の開業に当たっては、営業場所に適用される条例や管轄行政機関の案内をご確認ください。また、営業内容や施設によっては、消防法・建築基準法等に基づく手続きが別途必要になる場合があります。


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